ボクたちはみんな大人になれなかったを読んで。
この小説には傷をひとつひとつ思い出させる。
誰もがいろんな思いを心に抱えている。この主人公のように。
出版される前からこの小説はかなり注目を集めていた。
本の帯も糸井重里、吉岡里帆、大根仁、ホリエモン、二村ヒトシなどの有名な人が感想をよせている。
そんだけすごい本なんだと思う。
今大人気の吉岡里帆はこう感想を述べている。
男心ってやつが、ちょっと分かってしまった。こんな恋なら、一生忘れられなくてもいいから、してみたい。
スッ素晴らしい。
いい言葉ではないか。
心の傷があるのはつらいけどたまに薬をつけて化膿する傷跡をケアすることが必要なんだと思う。
作者の燃え殻はほんとに半端じゃない言葉で投げかけてくる。
ぜひともこの小説の世界にどっぷりはまってほしい。
最近noteで連載された小説が本になることが多い。
僕もnoteでデビューが決まった本を他にも読んでいるがとてもおもしろい本が多い。
他の本よりも生々しく、リアルに、直球で心に響いてくる。
心の傷
僕の初恋は16歳の頃だった。
小学校の同級生の子と夏祭りで久しぶりに再会した。
彼女の浴衣姿は衝撃的だった。今でのあの赤いきれいな模様は鮮明に覚えている。
きっとこれからもどんな女性に会ってもこの思い出は残るんだと思う。
でもこの強烈な思い出を持ち続けながら生きるのはとてもしんどい。
誰もがこんな思いでが1つはあるんだと思う。日々の忙しさに忘れることもあるけど、ふと暇な時に、さみしい時に思い出すんだろう。
彼女とはそれからずっと連絡を取り合っていた。大学生になり、彼女は関西の大学に。
僕も関西に決まった。電車で1時間くらいで会える距離にいた。
最初の頃は遊んで、ご飯を食べて、彼女の家に泊まったりしていた。
でもなにも起こることはなかった。
僕はずっと好きだったけど。幼馴染の壁を越えることはできなかった。
するとある時彼女には30歳フリーターの彼氏ができたことを知った。
もうズタボロに僕は傷を負った。
初めての失恋を経験した。
若い人も、おじさんも、おばさんも、おじいさんも、おばあさんも、みんないろんな傷を負っている。
それを抱えながら生きている。
たまには傷を見直すことがいるんではないか。時間がたてば傷が治っているかもしれないし、逆に化膿しているかもしれない。
ぜひみなさんも「ボクたちはみんな大人になれなかかった」を読んでみてください。